誰だって、初めて男を好きになったころは、体より心のぬくもりを求めたもの。

ゲイのハートは女よりやさしいから、もともと、心も満たされることを望んで男に惚れる。

ゲイ故に、愛すれば愛するほど、心裏切られ傷つく人は多い。

傷ついたゲイは、やがて愛した人のことも、思い出にすぎなくなった頃、いつのまにか、体のぬくもりだけを求めて、さまよい歩く人になる。


そんなゲイは、都会には、星の数ほどいる。

ゲイの場合、一夜の相手を手に入れるのは、それほど、むつかしいことではない。

都会の多くのゲイは、体のぬくもりだけを求めて、さまよい歩く。

体を合わせれば、ひとときの悲しみや寂しさは和らぐ。

それでも、心の奥底の侘しさは、体の芯に残ったまま。

体のぬくもりだけでは、埋められないものがある。

愛すれど、心寂しく・・・・。

ゲイは、とっても寂しいもの。

でも、誰にだって、心の侘しさまでをも、満たしてくれるような人が、きっと、どこかで待っている。


僕が、幸雄に出会ったのも、そんなころ。

初めて心から好きになった男に裏切られて５年以上が過ぎ、ようやく思い出しても、苦しまずにすむようになったころ、やっと忘れられたころだった。

寂しさに耐え切れないまま、いつのまにか、体の関係だけを求めるようになっていたころ。

人を信じられない頃、そんな頃に、幸雄とは出会ったけれど、一緒に暮らして数年後には、もう、心から信頼する人になっていた。


人は、誰でも、とっても寂しいもの。

だからこそ、誰にだって、心の侘しさまでをも、満たしてくれるような人が、きっと、どこかで待っている。

そう思う。

--- to be continued ---

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